離婚届はネットでダウンロード可能!離婚届を記入する際の注意点
- 作成日
- 2023/05/20
- 更新日
- 2023/05/20
目次
昨今は共働き夫婦も多く、平日になかなか時間を作れず、役所に離婚届を取りに行く時間がないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そういったご夫婦のために、現在は、インターネットでダウンロードした離婚届であっても役所は受理してくれるようになりました。そのため、わざわざ役所まで離婚届を取りに行く必要がなくなったのです(ただし、役所によって取扱いが異なる可能性があります)。
この記事では、
そういったご夫婦のために、現在は、インターネットでダウンロードした離婚届であっても役所は受理してくれるようになりました。そのため、わざわざ役所まで離婚届を取りに行く必要がなくなったのです(ただし、役所によって取扱いが異なる可能性があります)。
この記事では、
- 離婚届の提出先・提出期限
- 離婚届の提出方法
- 離婚届を記入する前に確認すべきこと
- 離婚届を記入する際の注意点
- 離婚届と併せて提出する書類
について、弁護士が詳しく解説します。
離婚届はインターネットでダウンロード可能
離婚届は、婚姻届と同じように、どこの市区町村役場の窓口でも無料でもらうことができます。
もっとも、役所に取りに行く時間がないというご夫婦には、市区町村の公式ホームページなどからもダウンロード可能です。
ただ、印刷する際にはA3の用紙(感熱紙は不可)で行う必要がある点に注意が必要です。
以下は、札幌市役所のホームページのものになりますが、離婚届の書式は全国共通ですので、ダウンロードして、札幌市役所以外の役所に提出することができます。
もっとも、役所に取りに行く時間がないというご夫婦には、市区町村の公式ホームページなどからもダウンロード可能です。
ただ、印刷する際にはA3の用紙(感熱紙は不可)で行う必要がある点に注意が必要です。
以下は、札幌市役所のホームページのものになりますが、離婚届の書式は全国共通ですので、ダウンロードして、札幌市役所以外の役所に提出することができます。
なお、役所によっては、ご自身で印刷した紙では受け付けてくれない可能性もあるため、念のため、事前に提出予定の役所に対し、ダウンロードした離婚届であっても受理してもらえるかどうかを確認しておくのがよいでしょう。
離婚届の提出先・提出期日は?
離婚届の提出先は、届出人(夫婦)の本籍地、または、一番近い市区町村の役場ということになります。
提出期限は、どの方法で離婚したかによって異なります。
離婚の方法には、基本的に次の3種類あります。
提出期限は、どの方法で離婚したかによって異なります。
離婚の方法には、基本的に次の3種類あります。
協議離婚 | 夫婦で話し合って離婚を決めること |
---|---|
調停離婚 | 家庭裁判所を介して、調停を通じて離婚すること |
審判離婚 | 家庭裁判所を介して、審判を通じて離婚すること |
裁判離婚 | 家庭裁判所を介して、裁判を通じて離婚すること |
そして、提出期限は次の通りです。
協議離婚 | 離婚する日 |
---|---|
調停離婚・審判離婚・裁判離婚 | 調停・審判・裁判が確定した日から10日以内(10日を経過すると過料が課せられるおそれがあります) |
なお、離婚届の提出の際には、手数料はかかりません。
参考:離婚届|法務省
離婚届の提出方法
離婚届の提出方法は、3種類あります。
- 当事者(双方または片方)が窓口に持参
- 郵送
- 使者(第三者に代わりに窓口で提出してもらう)
早く離婚したい場合、確実なのは、当事者が窓口に持参する方法です。離婚届に不備があった場合には、その場で修正して再度提出することができるかもしれません。離婚届に押印した場合には、同じ印鑑を持参するようにしましょう。
持参する場合には、窓口が開いている時間帯に行けるとよいのですが、夜間などの時間外でも、提出自体は可能です。
ただし、不備があった場合は、あとで連絡が来ますので、窓口が開いている時間帯に再度役所を訪れるなどして修正後、再度提出し、受理される必要があります。
持参する場合には、窓口が開いている時間帯に行けるとよいのですが、夜間などの時間外でも、提出自体は可能です。
ただし、不備があった場合は、あとで連絡が来ますので、窓口が開いている時間帯に再度役所を訪れるなどして修正後、再度提出し、受理される必要があります。
離婚届を記入する前に確認すべきこと
離婚届を記入する前に次のことについて確認すべきでしょう。
- 離婚届には証人2人が必要
- 離婚の際に決めるべきことを整理する
- 離婚の際に決めたことはきちんと離婚協議書に残しておく
では、説明します。
(1)離婚届には証人2人が必要
協議離婚の場合には、離婚届に成年の証人2名の署名が必要(押印は任意)となります。調停離婚・審判離婚・裁判離婚の場合には、証人は不要です。
証人は生年月日、住所、本籍の記入も必要となりますので、その旨を事前に伝えておくとよいでしょう。
成人であれば誰でも証人となることができるのですが、一般的には、夫婦どちらかの両親や友人にお願いすることが多いようです。
どうしても証人が見つからないという人には、離婚届証人代行サービスを利用することもあるようです。
証人は生年月日、住所、本籍の記入も必要となりますので、その旨を事前に伝えておくとよいでしょう。
成人であれば誰でも証人となることができるのですが、一般的には、夫婦どちらかの両親や友人にお願いすることが多いようです。
どうしても証人が見つからないという人には、離婚届証人代行サービスを利用することもあるようです。
(2)離婚の際に決めるべきことを整理する
離婚をするときには、たくさんのことを決めなければなりません。
戸籍が変わる人は従前の戸籍に戻るのか、新しい戸籍を作るのか、子どもがいる場合には親権者はどちらにするのか、といったことについては離婚届に記入しなければならず、離婚届の記入前に決めなければなりません。
また、それ以外にも、夫婦の財産をどのように分与するのか、養育費はいくらにするのかなど、離婚する際に決めなかったがために、離婚後にトラブルになるということもあるのです。
離婚後に話合いをしようとしても、例えば、養育費や財産分与など金銭を支払う側は、合意すると金銭を支払う義務を負うことになりますので、あえて話合いをしようとせず、話合い自体が困難になるケースもあるのです。
離婚後のトラブルを防ぐためにも、離婚届を提出する前に、夫婦で決めておくべきことを整理しておくべきで
しょう。
戸籍が変わる人は従前の戸籍に戻るのか、新しい戸籍を作るのか、子どもがいる場合には親権者はどちらにするのか、といったことについては離婚届に記入しなければならず、離婚届の記入前に決めなければなりません。
また、それ以外にも、夫婦の財産をどのように分与するのか、養育費はいくらにするのかなど、離婚する際に決めなかったがために、離婚後にトラブルになるということもあるのです。
離婚後に話合いをしようとしても、例えば、養育費や財産分与など金銭を支払う側は、合意すると金銭を支払う義務を負うことになりますので、あえて話合いをしようとせず、話合い自体が困難になるケースもあるのです。
離婚後のトラブルを防ぐためにも、離婚届を提出する前に、夫婦で決めておくべきことを整理しておくべきで
しょう。
主に離婚の際に決めるべきこと
- 子どもの親権者
- 子どもの面会交流の内容、頻度
- 子どもの養育費の支払い
- (不貞行為・DV行為がある場合)慰謝料の支払い
- 夫婦の財産分与
(3)離婚の際に決めたことはきちんと離婚協議書に残しておく
離婚の際に決めたことについては、「離婚協議書」という形できちんと書面に残しておきましょう。
「離婚協議書」とは、離婚の際に財産分与、慰謝料、離婚後の子どもの親権、養育費などについて取り交わした約束を書面化した契約書のことをいいます。
離婚の際に、財産分与や養育費などについて話し合ったとしても離婚協議書を作成しないでいると、のちに「そんな約束はしていない」など、言った・言っていないで、財産分与や養育費の金額や支払方法などを巡ってトラブルが生じることがあります。
離婚後に、元妻や元夫との間で、このようなトラブルや困難を抱えるのは得策ではありません。離婚協議の場合には、財産分与や養育費などについてきちんと離婚協議書を作成しておくようにしましょう。
また、夫婦で作成した離婚協議書を、公証役場で「公正証書」にすることができます。
公正証書とは、公証人が作成した、離婚協議書の内容に法的な効力を持たせた公文書です。
離婚協議書を公証役場に持参すれば、公証人が、離婚協議書を元に、文言を整えて法的に効力のある公正証書を作成してくれます。
金銭の支払いを目的とする事項を取り決めた際には、忘れずに、「強制執行認諾文言」を入れてもらうようにしましょう。この文言があれば、相手方が養育費などの支払いを怠った場合であっても、相手方の勤務先や預金口座が判明していれば訴訟を起こさずに相手の給与や預金を差し押さえることができます。
「離婚協議書」とは、離婚の際に財産分与、慰謝料、離婚後の子どもの親権、養育費などについて取り交わした約束を書面化した契約書のことをいいます。
離婚の際に、財産分与や養育費などについて話し合ったとしても離婚協議書を作成しないでいると、のちに「そんな約束はしていない」など、言った・言っていないで、財産分与や養育費の金額や支払方法などを巡ってトラブルが生じることがあります。
離婚後に、元妻や元夫との間で、このようなトラブルや困難を抱えるのは得策ではありません。離婚協議の場合には、財産分与や養育費などについてきちんと離婚協議書を作成しておくようにしましょう。
また、夫婦で作成した離婚協議書を、公証役場で「公正証書」にすることができます。
公正証書とは、公証人が作成した、離婚協議書の内容に法的な効力を持たせた公文書です。
離婚協議書を公証役場に持参すれば、公証人が、離婚協議書を元に、文言を整えて法的に効力のある公正証書を作成してくれます。
金銭の支払いを目的とする事項を取り決めた際には、忘れずに、「強制執行認諾文言」を入れてもらうようにしましょう。この文言があれば、相手方が養育費などの支払いを怠った場合であっても、相手方の勤務先や預金口座が判明していれば訴訟を起こさずに相手の給与や預金を差し押さえることができます。
離婚届を記入する際の注意点
実際に、離婚届はどのように書けばよいのでしょうか。
離婚届には書式があり、間違いのないように記入する必要があります。
離婚届には書式があり、間違いのないように記入する必要があります。
離婚届を記入する際には、鉛筆や消せるペンは使用せず、ボールペンや万年筆など、消せないペンで記入するようにしましょう。
間違えた場合には、新しい用紙に書き直すか、修正テープや修正液を使わずに二重線で消したうえで訂正印を押し、修正するようにします。
本籍・住所・氏名は、戸籍通りに正確に記入しましょう。
捺印は、朱肉を使用して、実印または認印を使用するようにします(ゴム印・シャチハタ不可)。
間違えた場合には、新しい用紙に書き直すか、修正テープや修正液を使わずに二重線で消したうえで訂正印を押し、修正するようにします。
本籍・住所・氏名は、戸籍通りに正確に記入しましょう。
捺印は、朱肉を使用して、実印または認印を使用するようにします(ゴム印・シャチハタ不可)。
離婚届と併せて提出する書類
離婚届を提出する際には、併せて提出が必要な書類がある場合があります。
役所と何度もやり取りを行うのは面倒だと思いますので、ここできちんと確認しておきましょう。
役所と何度もやり取りを行うのは面倒だと思いますので、ここできちんと確認しておきましょう。
(1)離婚の方法にかかわらず提出が必要な書類
離婚届を本籍地にある市区町村の役場以外に提出する場合、夫婦の戸籍謄本の提出が必要となります。
本籍地のある市区町村に提出する場合には、夫婦の戸籍謄本の提出は要りません。
さらに、氏名の変更がある方でマイナンバーカードをお持ちの方は、マイナンバーカードの氏名を変更する必要がありますので、マイナンバーカードを持参するとよいでしょう。
本籍地のある市区町村に提出する場合には、夫婦の戸籍謄本の提出は要りません。
さらに、氏名の変更がある方でマイナンバーカードをお持ちの方は、マイナンバーカードの氏名を変更する必要がありますので、マイナンバーカードを持参するとよいでしょう。
(2)協議離婚の場合
離婚届を持参する方の本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)の提示が必要です。
夫婦2人で提出する場合には、夫婦2人の本人確認書類の提示が必要となります。
なお、夫婦の一方しか本人確認ができなかったときには、離婚届の提出が夫婦双方の合意に基づくものであるかを確認するために、本人確認ができなかった一方に対し、離婚届の提出があったことを後日郵便で知らせることになります。
夫婦2人で提出する場合には、夫婦2人の本人確認書類の提示が必要となります。
なお、夫婦の一方しか本人確認ができなかったときには、離婚届の提出が夫婦双方の合意に基づくものであるかを確認するために、本人確認ができなかった一方に対し、離婚届の提出があったことを後日郵便で知らせることになります。
(3)調停離婚・裁判離婚の場合
調停離婚の場合には調停調書の謄本、裁判離婚の場合には和解調書謄本、認諾調書の謄本、もしくは判決書の謄本と確定証明書が必要になります。
【まとめ】離婚届を提出する前に、離婚に関する約束事を書面にしましょう
今回の記事のまとめは次のとおりです。
- 離婚届はインターネットでダウンロード可能
- 離婚届の提出先は、届出人(夫婦)の本籍地、または、一番近い市区町村の役場
- 離婚届の提出期限は、協議離婚の場合は離婚する日、裁判所を介した離婚の場合は、調停・審判・裁判が確定した日から10日以内
- 離婚届の提出方法は、窓口に持参、郵送、第三者が窓口に持参
- 離婚届を提出する前に、離婚に向けて話し合い、決めたことは書面に残す
今回の記事では、離婚届の提出方法や記入の注意点についてご説明しました。
ただ、離婚届を提出する前に、少し考えてみてください。「離婚条件(慰謝料・財産分与など)があいまいな部分がある」「納得できていない離婚条件がある」などの事情はありませんか。
早く離婚したい気持ちはわかりますが、これらの事情をすっきりさせないまま離婚届を提出してしまうことはおすすめしません。これらの事情をすっきりさせないまま離婚しても、「口約束で決めていたことが守られない」、「離婚後に納得のいかない部分について話合いをしたくても、相手が話合いに応じてくれない」などトラブルが生じてしまうことがあるからです。
このようなトラブルを避けるためにも、離婚届を提出する前に弁護士に相談し、離婚条件をきちんと取り決め、取り決めた内容を書面に残すことをおすすめします。
離婚についてお悩みの方は、離婚問題を取り扱うアディーレ法律事務所へご相談ください。
ただ、離婚届を提出する前に、少し考えてみてください。「離婚条件(慰謝料・財産分与など)があいまいな部分がある」「納得できていない離婚条件がある」などの事情はありませんか。
早く離婚したい気持ちはわかりますが、これらの事情をすっきりさせないまま離婚届を提出してしまうことはおすすめしません。これらの事情をすっきりさせないまま離婚しても、「口約束で決めていたことが守られない」、「離婚後に納得のいかない部分について話合いをしたくても、相手が話合いに応じてくれない」などトラブルが生じてしまうことがあるからです。
このようなトラブルを避けるためにも、離婚届を提出する前に弁護士に相談し、離婚条件をきちんと取り決め、取り決めた内容を書面に残すことをおすすめします。
離婚についてお悩みの方は、離婚問題を取り扱うアディーレ法律事務所へご相談ください。
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この記事の監修弁護士
慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。
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